骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは

骨がスカスカの状態となり、骨折のリスクが高まる疾患です。高齢化社会を迎えた日本では、骨粗鬆症患者数は増加傾向にあります。

骨粗鬆症になると困るの?骨折だけではないの?

実は一度骨折した人は今後も骨折を起こしやすくなります。ある研究では、閉経後の女性が骨折した場合、1年以内に再び骨折するリスクは5.3倍ということがわかりました。つまり5人に1人は再骨折を経験する計算です。骨折をきっかけに要介護状態となるケースも少なくありません。また、経済的損失は年間225万円になるとも言われております。

イベニティ(ロモソズマブ)はどんな薬?

イベニティの有効成分であるロモソズマブは、スクレロスチン(sclerostin)というタンパク質に結合・阻害するモノクローナル抗体です。スクレロスチンは骨形成を抑制する働きがあるため、これを阻害することで骨芽細胞の活性化が促され、新たな骨が作られやすくなります。また、イベニティは骨吸収を抑制する作用も持ち合わせています。

  • 骨形成促進:骨を作る細胞(骨芽細胞)の働きを活発化
  • 骨吸収抑制:骨を壊す細胞(破骨細胞)の働きを抑制

従来の骨粗鬆症治療薬には、骨吸収を抑制するビスホスホネート系や、骨形成を促進する副甲状腺ホルモン製剤などがありました。イベニティは「骨形成促進」と「骨吸収抑制」の両方を同時に実現する点で、これまでにない治療効果を発揮します。

イベニティ

https://www.qlifepro.com/news/20190306/ibnerity105mg.htmlより引用

イベニティの有効性と安全性は、複数の大規模臨床試験で検証されています。代表的な試験には「FRAME試験」や「ARCH試験」などがあり、いずれも骨密度の増加や骨折リスクの低減を示しています。

投与方法と治療期間について

イベニティは、1か月に1回、2本を皮下注射いたします。通常、12か月間(1年間)の投与が推奨されており、その後は他の骨粗鬆症治療薬への切り替えをおこないます。

副作用と注意点

イベニティの副作用としては、注射部位の疼痛や発赤、筋肉痛、関節痛、頭痛、アレルギー反応などが挙げられます。特に注意すべき副作用は「心血管イベント(心筋梗塞や脳卒中など)です。そのため、心血管疾患の既往がある患者には慎重な投与判断が必要とされていますが、これまでの臨床データを解析した結果、安全性が高いことも判明しつつあるようです。

いかがでしょうか。
一度骨折した方は、ぜひ『STOP at One』を目指して将来のためにしっかりと骨粗鬆症を治療していきましょう!