腎臓(じんぞう)に関する治療
まず大切なことを書きますが(とても残念ですが)、『腎臓の機能を一気に治す薬」はありません。
腎機能は加齢だけでも悪化していきます。あくまでも腎機能の悪化を遅らせることが治療の目的なのです(ただし例外として、腎炎などは治療によって大きく腎機能が改善することもございます)。
では、『悪化を遅らせる治療』には何があるか・・・。基本的には、『どの腎疾患にも共通した治療』+『疾患に合った特異的な治療』をおこないます!
ではまずは、『どの腎疾患にも共通した治療』からみていきましょう!
具体的には下記のようになります。
減塩・血圧を良くする
糖尿病を良くする
適切な生活習慣(禁煙、十分な睡眠、十分な排便習慣、虫歯を治療する など)を目指す!
痛み止めなど余計な薬剤は使わない
肥満の人は減量を
貧血を良くする
尿酸値を良くする
電解質異常を良くする
コレステロール値を良くする
アシデミア(酸性の状態のこと)を良くする
腎臓に効く!クスリ
では、上から順番にみていきましょう!
①減塩・血圧を良くする
CKDガイドライン等で細かい目標血圧が設定されております。糖尿病があるかないか、蛋白尿があるかないかで目標値が変わります。簡単に割り切ると・・・、上の血圧を、75歳未満のかたは120台、75歳以上のかたは130台を目指しましょう!もちろん立ちくらみや頭痛などの症状がないことが大切です。また、家庭血圧(朝食前・眠前、上腕での測定、高いからといって何度も測定しない、などルールがあります)が重要ですので、記録も忘れずに行いましょう!(当院の外来では、血圧ノートを治療の参考にしております)
塩分を摂れば摂るほど血圧が上がります。つまり何より「減塩」が大切です。食塩摂取量を6g/日未満に制限しましょう。お菓子(和・洋)などの間食、漬物、汁物などにご注意くださいね。
降圧剤は、蛋白尿があるかた、もしくは糖尿病があるかたは基本的には、ACE阻害薬/ARBを使用いたします。状況によっては、腎機能が低下することもありますので、ぜひ専門医にご相談のうえ治療薬を選択しましょう!